Apple Online Store で iPhone 6 128GB(スペースグレー) を予約し、発売日に入手しました。
今回は初の SIMフリー版 iPhone でしたので多少の不安はありましたが、SIMロック版(Softbank)の iPhone 5 から問題なく移行することが出来ました。
3日間 iPhone 6 を使用してみた所感を報告したいと思いますので、購入を検討している方々は参考になさってください。
今回の記事は特に、現在 SIMロック版(キャリア縛り) の iPhone 5 を使用し間もなく契約が2年を迎える方で、iPhone 6 の SIMフリー版へ乗り換えようとしている方にとっては有益な情報かと思います。
※本記事はあくまで主観に基づく感想であり、製品、サービス等を斡旋、もしくは批判・非難している訳ではございません。あらかじめご了承ください。
SIMフリー版 iPhone 6 と iOS 8 を3日間使用した感想
撮影に使用した iPhone 6 はすでにサードパーティ製のガラスフィルムを貼っている状態ですのでご了承下さい。
ファーストインプレッション
箱のデザインが一見真っ白ですが、よく見ればエンボス加工が施されています。とてもかっこいいです。
「iPhone というプロダクトを誰もが知っているという事実」が前提として、こういったデザインが可能になります。
開封の儀ではありませんので、早速中身を撮影しました。想像していたものとのギャップもなく、あの iPhone 6 が手元に届いた といった感じでした。
本体デザイン
落下の原因はもちろん自身の不注意ですが「デザインがラウンドフォルムであること」「iPhone 4 や 5 より薄型であること」「金属の表面処理がサラサラであること」が落下を誘発したと思います。
発売日の twitter では最速で iPhone 6 の画面割れが報告されていましたが、笑い事ではありません。
ケースを装着することで iPhone 6 本来の薄さや美観を損ねてしまうため、歴代の iPhone はなるべくケースを使用しないようにしてきたのですが、今回の iPhone 6 にはケースは必要不可欠なのかも知れません。
本体カラー
カラーに関しては完全に好みの問題です。個人的に当初はゴールドを購入予定でしたが、最終的にスペースグレーを選択した理由は以下の通りです。
- カメラレンズ部分の出っ張りが気になっていたため、ケースに入れる必要があった
- ケースを購入するなら純正のレザーケースにしたかった
- 純正レザーケースを使用すれば背面の色が見えなくなるため、フェイスの色で決めようと考えた
- 経験上レザーは汚れが目立つので、明るい色は避けたかった。
- フェイスは黒のほうがレザーの暗い色には似合う
結局今回もフェイスがブラックとなってしまい変化に乏しいですが、黒は高級感と機能性を兼ね備えているため大変満足しています。
純正レザーケース
少し地味なのですが、今回は Apple 純正レザーケースのオリーブブラウンを選択しました。多少明るい焦げ茶色です。使い込んでもう少し黒くなることを期待します。
個人的に iPhone をケースに入れるのは好きではないのですが、今回の iPhone 6 はデザインの特性上、カメラのレンズが飛び出ている事と、手を滑らせて落下させるリスクが大きいため、ケースの装着をお勧めします。
裏側にも iPhone の刻印が施されています。
純正のレザーケースに入れた iPhone 6 と iPhone 5 との厚みの違いは iPhone 5 より約1mm程度高くなります。iPhone 6 が薄型なので、純正ケースに入れれば iPhone 5 程度の厚みになると考えておけば問題ないかと思います。
せっかくの薄型が台無しになるかとも思いましたが、持った感じはケースありの方が安定し、レザーの高級感と相まって不満はまったくありませんでした。
色の選択は好みの問題ですので、好きな色を選択すればいいと思いますが、Apple 純正レザーケースを購入する方にアドバイスがあるとすれば、レザーのカラーは暗い色を選択したほうがいいということです。
以前 Apple 純正の iPad レザーケース(プロダクトレッド)を購入した経験があるのですが、プロダクトレッドですらちょっとした汚れであってもものすごく目立ちます。クリーナーを使用しても革なので汚れはなかなか落ちませんし、やり過ぎると今度は色落ちします。
レザーケースは高価でメンテナスも大変ですので、シリコンケースやサードパーティのケースでも構わないと思います。
画面サイズ
iPhone 4 から iPhone 5 へ移行したときは「もう iPhone 4 には戻れないな」という印象がありましたが、今回はどうだったかを書いておきます。
- iPhone 5 -> iPhone 6 の感想
- とくに違和感はありませんでした。画面サイズも大きく買い替え動機としては十分だと感じました。
縦位置で使用すると多少大きくなった程度にしか感じなかったのですが、横位置に持ち写真や動画を視聴したり、ゲームをプレイすると迫力があり、iPhone 5 では味わえない満足感がありました。 - iPhone 6 -> iPhone 5 の感想
- iPhone 6 で移行作業を済ませた後、iPhone 5 の初期化を行うため手にしたとき、驚くことに「あれ?このサイズ(iPhone 5)の方が全然使いやすい」と感じました。
iPhone 6 に触れることで、皮肉なことに iPhone 5 を再評価するかたちになりました。iPhone 6 ですらこれですから、Plus にしなくてよかったとあらためて実感しました。
Touch ID
iPhone 5s から実装されている Touch ID ですが、ずっと指を加えてみていた機能をやっと手にすることが出来ました。
スリープからの復帰時のパスワード入力がなくなり、その恩恵は十分享受できています。ただし、本体再起動後の一回目は従来通りのパスワード入力が求められます。
私は「左右の親指」「左右の人差し指」の計4本の指紋を登録しました。この4つがあれば今のところ不自由なく快適に利用出来ています。
今回 Touch ID により、iPhone のホームボタンは利き腕に関わらず、どちらの手の指でも押しているものなんだ、ということを実感しました。
片手操作
まず最初に断言しますが、iPhone 6 は片手でのスクリーンへのフルアクセスは不可能です。左上の「戻る」にはまず指が届きません。
この問題に対する Apple の解決方法は「ホームをボタンダブルタップ」することで「スクリーン全体が下方向にスライドする」機能、Reachability(リーチャビリティ)の実装でしたが、このリーチャビリティを使ってやっと左上の「戻るに届くかどうか」といった感じです。
iPhone 6 は横幅も大きくなっているため、本体をホールドした状態で、ホームボタンを親指で押せるポジションから、左上のタッチには無理があると感じました。おそらく女性の方はこの機能を使っても片手操作は不可能でしょう。
SIMカード
各キャリアが「SIM の差し替えによる SIMフリー版 iPhone 6 の動作は保証しない」と公表しているため、SIMロック版 iPhone ユーザーの方々は SIMフリー版の iPhone を購入することに不安があると思います。
結論から言えばiPhone 5(SIMロック有り) の SIM を iPhone 6(SIMフリー版)に差し替えても問題なく使用できました。
ただし、こういった使い方はキャリアが押し付けているローカルルールとは言え、契約上問題があると思いますので、ここでの説明はこれくらいにしておきます。また、SIMの差し替え等に関わる作業は自己責任でお願いします。
私自身は iPhone 5 のキャリア縛りがあと2ヶ月程度残っているので、契約満了時まではキャリアの SIM で iPhone 6 を運用し、その後 ナンバーポータビリティ(MNP) で MVNO に乗り換えようと思います。
SIMフリー版 iPhone のメリット・デメリットと MVNO に関しましては こちら をご覧いただければと思います。
iPhone 6 の問題点
- カメラレンズの出っ張り
- 正直この部分は発表当初から Apple にしてはあまりに雑なのでは?と思わざるを得なかったのですが、この問題はケースを装着することで無理矢理解決させました。
平らな面に置くとやや浮いているのですが、そこまで気にするほどの問題ではないのかもしれません。しかし、美しくはないですね。 - スリープスイッチの位置
- iPhone 6 からスリープボタンの位置が上辺から音量ボタンと反対側の横位置に変更されています。
よくスリープボタンにアクセスする自分にとって、これは大きな変更で、当初は戸惑いつつもアクセスしやすい位置にあるため、歓迎するべき変更だと思いました。しかし、この変更には問題がありました。本体を右手でホールド状態のとき、スリープボタンは右手親指で押すことになるはずですが、持ち方や力の加減次第では「反対側で支えている人差し指で、音量ボタンのマイナスを押してしまう」のです。
音量ボタンの形状も iPhone 6 から縦長に変更されているため、この誤操作は結構な頻度で起こります。
いまだに何度も本体のボリュームを押してしまいますが、これは慣れるしかないですね。。 - 曲面形状のタッチスクリーン
- iPhone 6 のタッチスクリーンのガラスは美しいカーブを描いてシームレスに本体の金属面に張り付いています。
今回の iPhone 6 のタッチスクリーンの素材は、発売前から噂されていたサファイヤガラスを採用しませんでした。となれば、過保護な我々はここに保護フィルムを貼ることになるのですが、ちょうど液晶画面が表示されるギリギリのところからカーブが始まっているため、フィルムを貼るのが非常に困難となっています。
これまでの iPhone の場合はスクリーンの形状は平面であったため、フィルムサイズがスクリーンサイズより一回り小さくなっており、多少のズレが許容されていました。
iPhone 6 のフィルムの場合は、一回り半小さく設計されており、曲面より内側の平面部分ギリギリにフィルムのサイズが確保されています。そうしないと、液晶表示部分より内側にフィルムの端が映り込んでしまうからです。
そのため、平面を少しでもはみ出してフィルムを施工してしまった場合、端の方(曲面部分)が密着しない状態となってしまいます。
今回はじめて強化ガラスフィルムを施工したのですが、ガラスフィルムの場合はさらに難易度が高いです。
強化ガラスフィルムは薄いガラス板であり、従来のフィルムのように曲がらないため、少しだけ貼りあわせてから位置の微調整が出来ません。位置を決めて置く。たったこれだけなので簡単そうですが、一発で完璧な位置に配置する技量(運)が求められます。なぜなら、張り合わせた後にズレが発覚すると今度は剥がすのが大変だからです。
板が張り付いているので、端の方から少しづつ剥がすことが出来ません。端の方から横向きに強い力を加え、一気に板を取る、といった感じです。私の場合は、3回やり直しやっとど真ん中へ配置することができました。
デザイン自体は素晴らしいのですが、フィルムの施工時には細心の注意が必要だと感じました。
iPhone 6 Plus について
iPhone 6 Plus は実機に触っていませんが、個人的に iPhone 6 を使用してみて iPhone 6 Plus を持つ方の条件は以下のような方々だと思いました。
- iPhone を常にバッグに入れを持ち歩く
- ゲーム・動画・画像の再生を主な用途とする
- 2台目のモバイルデバイスとして使用する
iPhone 6 Plus は iPhone ではなく iPad の最小版としてカテゴライズしてもいいのではないかと思います。
iPhone 6 Plus は手帳を持ち歩くような感覚で導入するのであれば問題ないと思いますが、大きな iPhone と思って乗り換えるときっと後悔します。
国産の板チョコをコンビニで買ってきて、それを耳に押し当てて電話する自分の姿を鏡に写して見てみて下さい。その姿に違和感がなければ iPhone 6 Plus を持つ資格があるのかも知れません。
また、せっかくの iPhone 6 Plus の大画面も、アプリ側が Plus 専用の対応をしなければ、iPhone 5 や 6 の画面を拡大させただけのものとなります。
開発者の立場から iPhone 6 Plus 専用アプリの開発をするかと言われると「No」です。iPhone 6 や iPhone 5 をベースに開発を行えば iPhone 6 Plus でも問題なく動作するため、Plus に対してコストをかけたくないというのが理由です。
これらを踏まえた上で iPhone 6 Plus の導入は慎重に検討することをお勧めします。
OS X Yosemite への期待
iOS 8 は一見すると iOS 7 と変わらない感じがします。ちょっとした仕様変更や iPhone 6 / Plus に合わせた機能が追加されているものの、全体的にブラッシュアップされただけに思えてしまいます。
特に iOS 6 から iOS 7 へのフラットデザインへの移行を体験していると、今回の iOS 8 は見栄えとしては少し物足りないのも事実です。
しかし、Mac を使用している方であれば、来月リリースされる Mac OS X Yosemite と今回の iOS 8 を併用することで、真価が発揮されるようにさまざまな機能の実装、変更・調整が行われています。
「iCloud Drive」「Phone/SMS」「Instant Hotspot」「Handoff」による連携機能の強化がそれにあたりますが、iOS 8 と Yosemite に関する感想は両者が出揃ったところで、じっくりと触ってみてから感想を述べたいと思います。
個人的には iOS 8 以上に OS X Yosemite のリリースが楽しみです。
まとめ
- ファーストインプレッション
- パッケージが格好良い。見た目やデザインは期待を裏切らず、事前にリークした情報通り。
- 本体のデザイン
- 片手での操作を前提としたサイズ感に関しては iPhone 5 がベストだが、画面が大きくなったことには満足で、買い替え動機としては十分。
- 本体カラー
- 好みで決めればよいが、純正ケースを検討しているのであれば、フェイスのカラーだけで判断。
- 純正レザーケース
- ホールド感が増し、落下リスクが軽減する。カバーを装着すれば分厚くなるが、iPhone 5 くらいの厚み。
- 画面サイズ
- 横位置でカメラ撮影やゲームのプレイ、動画の視聴をしたとき iPhone 6 の画面は大変満足のできる大きさ。
- Touch ID
- 「左右の親指」「左右の人差し指」の計4本の指紋を登録すれば快適に利用出来る。
- 片手操作
- 画面へのフルアクセスは iPhone 6 でも困難。iPhone 5 に慣れていると不便に感じる。
- SIMカード
- SIMロック版 iPhone 5 (Softbank) の SIM を iPhone 6 に挿しても問題なくアクティベート可能。
- 問題点
- >カメラレンズの出っ張り
- 公式サイトでも隠したがるようなバッドデザインだが、慣れれば気にならない。大人の事情があったと諦め、ケースでカバーすれば問題なし。
- >スリープボタンの位置
- 以前より押しやすい位置だが、間違って音量ボリュームを押してしまう弊害がある。
- >曲面形状のスクリーン
- デザイン自体は素晴らしいが、フィルムの施工時には細心の注意が必要。
- iPhone 6 Plus について
- 大きな iPhone だと思い乗り換えると後悔する可能性がある。手帳を持ち歩く感覚であれば問題ないが、電話をする自分の姿は要確認。
- OS X Yosemite への期待
- Mac OS X Yosemite との連携により iOS 8 の真価が発揮され、アップデートの価値が増大する。
最後に
全体的にみると iPhone 6 はやはり良く作りこまれていて、非常に満足度の高いプロダクトであると思います。
また、今回の iPhone 6 から SIMフリー版を選択する方も多いかと思います。
日本の大手キャリアが、iPhone ユーザーから高額な通信費を2年間徴収し続けられる時代も終わろうとしています。今回 SIMフリーの iPhone 6 を手にしたことにより、ユーザー自身が自分のスタイルに合った正当なプラン・料金を選択し、利用する時代に入ってきていることを強く実感しました。
iPhone も iPhone 5 以降は成熟期に入っているため、今回はサイズアップでこれまでとの差別化を図りましたが、iPhone 6 の大きさはすでに片手持ち操作の限界を超えています。iPhone の大型化もここら辺でストップするのではないでしょうか。
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